

板橋区職員が選んだ
SDGs絵本ブックリスト
板橋区職員の有志が集まり、各SDGsの目標に関連する日本の絵本17冊を選定する選書会を行い、
「板橋区職員が選んだSDGs絵本ブックリスト」を作成しました。
それぞれの専門性や経験を活かし、SDGsの17の目標に沿って絵本を選定しています。
こちらのリストは絵本ナビスタイルにて、各絵本の販売ページへのリンク付きで紹介されています。(紹介ページはこちら )
「なんだか難しそう」なSDGsも身近に感じられるかも!
ぜひ、あなたやお子さんの「お気に入りの一冊」を見つけてみてください。

目標1:貧困をなくそう
「おかあちゃんがつくったる」
作:長谷川義史 出版社:講談社 発行年:2012
物語は昭和の日本。父を亡くした少年は、母と姉と三人で元気に暮らしているが、みんなと同じものを買ってもらうことはできない。代わりに母がミシンで作ってくれるが、それがちょっとかっこ悪くて、恥ずかしい。本当はみんなと同じものが欲しい少年と、我が子のために奮闘する母の姿が、おおらかに描かれ、家族の愛が伝わってくる。しかし、さらに視点を広げると、現代社会における相対的貧困に悩む子どもの姿も思い起こされる。(板橋福祉事務所・浅妻)

目標2:飢餓をゼロに
「くいしんぼうのマルチェロふしぎなエプロン」
作:大塚ミク 絵:オオノ・マユミ 出版社:出版ワークス 発行年:2020
マルチェロは食いしん坊のコックさん。不思議なことに、おいしいものを食べると、彼のエプロンは食材の柄に変わります。おいしいものを作るには、自然の恵みが必要です。さらに、折込の大きな画面には、お菓子を作るためのレモンやバターや卵などの食材がどうやって作られるのかも描かれています。誰もが必要な食事をとることができるようにするためには、食べ物が作られる環境を守ることも考えなければいけませんね。「くいしんぼうはしあわせのはじまり」さあ、あなたもおいしいものを召し上がれ。(美術館・松岡)

目標3:すべての人に健康と福祉を
「ぼく、うまれるよ!」
作:駒形克己 出版社:ONE STROKE 発行年:1995
お母さんのおなかの中で、いのちが現れ、少しずつ成長し、やがて生まれるまでを描いた絵本。生物学的なプロセスを表現しつつも、計算されたシンプルかつ巧みなイラスト、テキスト、造本によって、子どもから大人まで、読むものに生命誕生の神秘を感じさせる。そこから感じられるのは、命の力強さである。
まだまだ世界には、妊娠や出産の過程で命を失ってしまうお母さんや赤ちゃんがいる。生まれ来る赤ちゃんをはじめ、お母さん、そしてすべての人に健康とウェルビーイングを。そうした思いを強くするきっかけを、この絵本は与えてくれる。(資源循環推進課・小熊)

目標4:質の高い教育をみんなに
「えほんのこども」
作:荒井良二 出版社:講談社 発行年:2008
大きな絵本から飛び出した小さな「えほんのこども」たちは、森や海など、様々なところにいる子どもたちにおはなしを届けにいく。「えほんのこども」たちは、電車にのって、おはなしを求めるすべての地球の子どもたちに、お話を届けていく。本書は直接的に教育の必要性を説くものではないが、絵本は大人から子どもに与えられる最初の教育のひとつだと言えるのではないか。鮮烈で伸びやかなイラストレーションと、リズミカルで簡潔な言葉によって構成されたこの美しい絵本は、だれもが絵本/おはなしを享受できる世界の豊かさを全身で表明している。(美術館・村内)

目標5:ジェンダー平等を実現しよう
「おうさまのこどもたち」
作:三浦太郎 出版社:偕成社 発行年:2019
王家の10人の子どもたちは、まちの人々のくらしの中からそれぞれのなりたい姿を見つけます。子どもたちのみつけた職業がコラージュ技法などを用いて、ユニークに描かれている絵本です。これらの職業は、日本の一般的なジェンダー観とは異なる選択になっており、それが自然な表現で描かれています。子どもたちは、大人が持つ無意識のジェンダーバイアスの中で育っていきますが、この絵本に触れることで、あるがままの興味関心に従うことの大切さに気づくきっかけになると思います。(政策企画課・安川)

目標6:安全な水とトイレを世界中に
「みずくみに」
絵と文:飯野和好 出版社:小峰書店 発行年:2014
主人公のちよちゃんが愛犬のくろと一緒においしい水をくみに沢へとでかけるお話です。テキストが短く、とてもシンプルなお話ですが、新緑や沢の水、メジロやサワガニなど山の生き物たちがいきいきと描かれており、豊かな自然を感じることができます。特に、ちよちゃんとくろが沢の水を飲むシーンでは、ごくごくと喉を鳴らす音が聞こえてくるようで、とてもおいしそうに感じられます。蛇口をひねればすぐにきれいな水が飲める現代の私たちに、水は自然からの贈り物であり、守り続けなければならないものだと気づかせてくれる絵本です。(政策企画課・石原)

目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
「希望の牧場」
作:森絵都 絵:吉田尚令 出版社:岩崎書店 発行年:2014
本を読む時の灯り、仕事や旅行に行く際の交通など、私達が暮らしていくために、エネルギーは欠かせない。日本では、その多くを石油に頼っており、排出されるCO2 は地球温暖化の原因だ。そして原子力発電。東日本大震災の時、原子力発電所からの放射能のため「その地の山、海、牧場」は廃墟となった。本書は、東日本大震災後の原発事故によって、立ち入り禁止区域になった牧場と牛飼いを題材としている。生きとし生けるものが生を全うするためには「その地の山、海、牧場」も生きていなければならない。自然が壊されず、みんなが暮らせる場所にするためにも、ソーラーパネルを家に設置する、LED の蛍光灯に変えてみるなど、できることから、やってみよう。(中央図書館・薬師神)

目標8:働きがいも経済成長も
「がいとうのひっこし」
文:山田彩央里 絵:山田和明 出版社:イマジネイション・プラス 発行年:2024
役に立たなくなった「がいとう」が、自らの居場所を見つける旅に出て、最後には自身が輝ける場所を見つけるものがたり。様々な場所で、自分でも何か役に立つことができないか探していく中で、自分にしかできない役割=仕事を見つけるところが、働きがいのある仕事とつながってくる。「がいとう」は自分の場所を探す旅の途中、悩みを抱えた人たちと出会い、励ます。自分自身も悩んでいるにもかかわらず、相手に優しく寄り添う姿に、自分もそういう人間になりたいと考えさせられる。(学務課・髙橋)

目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
「はこぶ」
作・絵:鎌田歩 出版社:教育画劇 発行年:2014
時代とともに進化していく運搬技術を描いた作品。「運びたい」「届けたい」という人々の思いが便利な道具や乗り物を生み出し、陸・海・空と様々なルートで人や物が運ばれるようになります。フォークリフト、クレーン車、コンテナ船、ジェット飛行機に宇宙ロケットなど、詳細に描かれた機械や乗り物は迫力いっぱい!よりはやく、たくさん、あんぜんに、とおくへ。運んだり、運ぶための環境を整えたりする人の姿から、インフラや技術革新を支える力と思いが伝わります。(中央図書館・小柳)

目標10:人や国の不平等をなくそう
「りんごかもしれない」
作:ヨシタケシンスケ 出版社:ブロンズ新社 発行年:2013
ある日、男の子が帰ってくると、テーブルの上にりんごが一つ。しかし、そのりんごを見て「もしかしたらこれは、りんごじゃないのかもしれない」と想像を膨らませていくおはなし。自分が「りんご」だと思っているものも実は「りんご」じゃないのかもしれない。そんな自分の中の「当たり前」や「思い込み」をなくすことで、差別や偏見もなくせるのではないかということを、ヨシタケシンスケ流のユーモアで、楽しく読ませる。こうした考え方は、SDGs の「誰一人取り残さない」という理念につながっていくものだと思う。(政策企画課・石川)

目標11:住み続けられるまちづくりを
「やとのいえ」
作:八尾慶次 出版社:偕成社 発行年:2020
「やと」とは、なだらかな丘に挟まれた浅い谷のこと。「やと」にある一軒の農家と、その土地に暮らす人々の様子を、道端にたたずむ十六羅漢(お釈迦様の弟子16人の石像)を定点観測で描いた絵本。1868 年頃から現代までの150 年間、時の流れとともに変化していく様子が丁寧に描かれている。都市化が進み人口が増え、便利で快適な暮らしができるようになった一方で、様々な問題が表面化している今、人と生き物が共に暮らす自然豊かな日本の原風景を忘れてはならない。ページを開くたびに新しい発見があり、大切なことを気づかせてくれる絵本。羅漢さんたちの表情も見どころのひとつ。(中央図書館・不破)

目標12:つくる責任つかう責任
「ことしのセーター」
さく・絵:石川えりこ 出版社:福音館書店 発行年:2016
子どもたちの小さくなったセーターを編みなおす家族のお話。セーターをほどいて毛糸玉にする作業にはスピード感があって、子どもたちも夢中です。一方、母と祖母が新しいセーターを編み上げる日々は、ゆっくりと流れていきます。古いものを作り直してまた使うという習慣は、簡単にモノを買っては捨てるという現代の消費行動とは異なり、手間と時間がかかりました。しかしそこには五感を刺激するような愛着や出来上がりへの期待感があふれ、季節と同じように何度も繰り返される営みであったことが伝わってきます。(美術館・高木)

目標13:気候変動に具体的対策を
「新世界へ」
作:あべ弘士 出版社:偕成社 発行年:2012
カオジロガンの親子にとっての「新世界」である越冬地への3000キロ以上の旅を描いた1 冊。雪山、空、海、そして、カオジロガンをはじめとしたウミガラスやアザラシ、ホッキョクグマといった北の動物たち。力強くのびやかなタッチが、自然の雄大さを見事に表現している。作者が北極を訪れたのは、2011 年6月のことだという。地球温暖化による影響には、北極での海氷融解、異常気象、それらに起因する生態系破壊など枚挙にいとまがない。この美しい自然を守るために私たちに何ができるのか、真に考えさせられる。(中央図書館・田﨑)

目標14:海の豊かさを守ろう
「しぜんにタッチ!おすしのさかな」
監修:川澄健ほか 写真:古島万理子ほか 絵:中沢正人 出版社:ひさかたチャイルド 発行年:2010
お母さんのおなかの中で、いのちが現れ、少しずつ成長し、やがて生まれるまでを描いた絵本。生物学的なプロセスを表現しつつも、計算されたシンプルかつ巧みなイラスト、テキスト、造本によって、子どもから大人まで、読むものに生命誕生の神秘を感じさせる。そこから感じられるのは、命の力強さである。
まだまだ世界には、妊娠や出産の過程で命を失ってしまうお母さんや赤ちゃんがいる。生まれ来る赤ちゃんをはじめ、お母さん、そしてすべての人に健康とウェルビーイングを。そうした思いを強くするきっかけを、この絵本は与えてくれる。(資源循環推進課・小熊)

目標15:陸の豊かさも守ろう
「つちたち」
作・絵:ミロコマチコ 出版社:Gakken 発行年:2024
ひとつぶひとつぶ異なる表情豊かな土たちが、笑い、踊り、空を飛びます。植物が根を張ったり、ミミズや恐竜が動き回ったり、ひとつひとつの場面が、力強く、色鮮やかに描かれており、地球の壮大な歴史と生命の尊さを感じることができます。私たちの足の下、土の中で、今も、歴史がつながり、生命がつながっています。ずっと、当たり前にそこにあり、生態系や生物の多様性を守ってきた土を、私たちはこの先も守り続けなければなりません。(政策企画課・富澤)

目標16:平和と公正をすべての人に
「けんかのきもち」
文:柴田愛子 絵:伊藤秀男 出版社:ポプラ社 発行年:2001
毎日遊ぶ仲の良い友だちとも時には喧嘩をしてしまうこともある。本気のケンカ、悔しい気持ち、謝られても収まらない気持ち。周りの仲間に仲直りのキッカケをもらいながら、お互いに顔を合わせて「ごめんね」と気持ちを伝え合うことで、仲を深めていくふたりの男の子。相手を理解しようとコミュニケーションを重ね、周りもサポートしていく姿から、みんなで手を取り合うことの大切さにきづかせてくれます。みんなで手を取り合っていきましょう。(弥生児童館・菊池)

目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
「せかいねこのひ」
絵と文:井上奈奈 出版社:新日本出版社 発行年:2019
ある朝、世界中の人々が言葉を忘れ、猫の鳴き声しか発せなくなる。仕方なく今日は「せかいねこのひ」ということにして、猫を手本に過ごすことに。学校も、仕事も、戦争もなく、穏やかに一日が過ぎる。翌日、言葉を思い出した人々は、昨日は本当に幸せな一日だったと言い合う。言葉や文化が違っても、互いを慮り尊重し合えば、世界をより良くすることができる、と思わせてくれる。目標17 の達成には、地球上の問題に誰もが関心をもち、国を越えて協力する必要がある。この作品のもつポジティブなメッセージは、その原動力になるだろう。(元中央図書館・笹岡 現在、(公財)東京子ども図書館職員)
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※ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア2025での紹介の様子はこちら
※職員の所属等の記載は、2025年3月時点のものです。