Collaboration!
女子美術大学
杉山 優子
女子美術大学デザイン科卒業。ディスプレイ施工会社デザイナー、女子美術大学助手、IT関連会社クリエイティブディレクターを経て、現在は女子美術大学非常勤講師。個人事務所で代表を務める他、板橋区学校支援地域本部の地域コーディネーターとしても活動。Co-Design※1や空間の変容が人々の心にどう作用するかに興味を持ちながら、医療・福祉施設などで実践している。
※1 専門家だけではなく、多様なステークホルダーがデザインのプロセスに参加し、対話しながら共につくり上げる手法。
未来屋書店
山本 光
イオン板橋ショッピングセンターの4Fにある未来屋書店板橋店に勤務。児童書担当として本を通してこどもたちに明るい未来と笑顔を届けられるよう、常に新しい書店づくりにチャレンジし続けている。JPIC読書アドバイザー※2の資格を持ち、JPIC読書アドバイザークラブに所属している。
※2 本と読書に関するさまざまなことにアドバイスを行い、読書環境の向上につとめる役割をもつ民間資格。
産官学連携で実現。みんなの居場所になる空間を
2025年11月1日、イオン板橋ショッピングセンター4階の未来屋書店 板橋店がリニューアルし、児童書売場「みらいやの森」が誕生しました。内装デザインには女子美術大学が携わり、未来屋書店と板橋区、同大学の三者協働によって生まれた空間です。
「みらいやの森」誕生の経緯を教えてください。
山本さん
未来屋書店では大型店を中心に「みらいやの森」を展開しており、これには「子どもたちに明るい未来と笑顔をもたらす」「自分らしくいられる場所をつくる」というストアコンセプトがあります。私自身が児童書の書店員として大切にしている軸と重なる考えで、ぜひこの売場を板橋店にも取り入れたいと以前から思っていました。実現にあたり板橋区に相談したところ、杉山先生をご紹介いただき、内装デザインをお願いすることになりました。
杉山さん
板橋区と女子美術大学は以前「絵本のまち コラボレーション授業」でご一緒しており、そのご縁でお声がけいただきました。今回は三浦太郎※3先生の監修のもと、「板橋コレクション絵本」をコンセプトに、学生と具体的なデザインを検討するところから始まりました。空間全体を物語の世界に見立て、「板橋区の鳥・ハクセキレイがまちのランドマークを集めて絵本をつくる」というストーリーを壁面に表現しています。中央の柱には、絵本づくりを終えた2羽のハクセキレイが読書する場面を描き、地続きのカーペットコーナーで鳥たちと一緒に本を楽しんでほしいという思いを込めています。
―― 実際に完成して、お客様からの反応はいかがですか。
山本さん
とても良いです。親子が「ここ、いいね」とくつろいで読み聞かせをしたり、お母さん同士の待ち合わせや小学生の集いの場になったりしています。オープン直後から地域の居場所として受け入れていただき、本当に嬉しいです。
杉山さん
未来屋書店さんから「本を買わなくてもいい。ただ心地よく時間を過ごせる場にしたい」と伺ったことが印象に残っていました。自然と周りの本に手が伸びるような、居心地の良い空間づくりを意識したので、それを実現できて何よりです。
今後の展望についてお聞かせください。
山本さん
来年は板橋区内の各図書館を紹介するコーナーを設けたいと考えています。読み手向けの講習会や英語でのおはなし会など、イベントも企画したいですね。
杉山さん
これで完成ではなく、子どもたちが新たな板橋のランドマークを見つけて「板橋コレクション絵本」を広げていくなどの展開も期待しています。ここで過ごす時間がまちへの愛着を育むきっかけになれば嬉しいです。
※3 絵本作家。女子美術大学特別招聘教授
デザインテーマ監修:三浦太郎(女子美術大学特別招聘教授/絵本作家)
デザインディレクション:杉山優子(女子美術大学非常勤講師/デザイナー)
デザイン制作:石井亜衣(女子美術大学ヒーリング表現領域3年)、武井彩波(女子美術大学ヒーリング表現領域3年)